機械安全の法律・規格と設計手法

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CEマーキングの取得にかかる期間と費用

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CEマーキングの取得にかかる期間と費用について説明します。

取得にかかる期間

製品にCEマークを表示するのに必要な活動期間は、おおよそ4〜6週間と考えます。ただし、製造者が技術文書を準備しているか、必要な適合性評価の実施しているかによって、さらに長くなることもあります。一般的に、CEマーキングにかかる​​期間を決定する大きな要素は、製品の種類と該当する指令の範囲です。場合によっては、第三者が製品の安全性を確認するためにテストを実施する必要もあります。
しかしながら、最も期間の影響をあたえるのは、欧州向けの仕様で製品設計されているのか、日本国内向けの製品を欧州向けに設計変更していくのか、この部分なのです。欧州向けの仕様で製品設計されているならば、その製品の適合性評価や技術文書の作成を行えば済むだけなので、第三者による製品の安全性を確認が必要になったとしても、4〜6週間後にはCEマークを貼り付けた製品を欧州にすることが可能になります。

取得にかかるの費用

残念ながら、CEマーキングの費用については、具体的な回答はできません。コストの大部分は、製品に適用される認証手順、製品にテストが必要かどうか、および第三者が関与するかどうか、そして設計変更の要否によって変わってくるからです。
製造者が自分で製品の適合性を評価し、製品がテストを必要としない場合、CEマークを付けるために外部に費用を支払う必要はありません。ただし、EMC試験などの自社でのテストが難しい場合は外部によるテストが必要になります。
しかし、一番忘れてはいけないのは、例えば、日本国内向けの製品を欧州向けに設計変更していくための費用です。「CEマークにはお金がかかる」という話を聞きますが、その実は、欧州の安全規格に適合させるための設計変更や完成した製品が安全要求仕様を満たしていないことに対する手直しで発生する費用が大きな支出になっているからなのです。

外部流出費用の内訳

費用の回答は難しいので、どのような項目に外部流出費用が発生するのかを示します。次のすべての項目がすべて必要になる製品もあれば、すべてが不要である製品もあります。

・認証機関(ノーティファイドボディ)による製品の適合性や生産品質の評価
・試験所によるテスト(EMC試験・各種電気試験等)
・第三者による認証取得支援(アドバイス)を受ける

上記1項目は、EU法に定められている製品(CEマークに認証機関(ノーティファイドボディ)の番号が必要な製品)の場合には仕方のない支出になります。2項目は自社でテストは可能ならば自社で実施できます。ただし、実際にはEMC試験等の試験は自社での実施が難しい場合があります。一方、3項目は、自社で頑張れば外部に支払う費用をゼロにもできます。

初めてのCEマーキングの自己認証の場合は適合性評価をサポートしてくれる中小企業基盤整備機構、公設試験研究機関、各地の工業技術総合センターなどがあります。無料とはいかない場合がありますが、大手の認証機関(ノーティファイドボディ) や第三者機関に相談することに比べれば、はるかに格安です。まず初めは、各団体の専門相談員や専門家(コンサルタント等)の助言を受けながら自ら勉強してCEマーキングの自己認証をおこないEU適合宣言をめざしましょう



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