機械安全の法律・規格と設計手法

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機械の供給(安全)規則 2008 EU離脱ガイダンス|イギリス

2021年1月1日からの、機械類の安全に関する法律がどのようになるのかは、定かではありませんが、2020年9月1日のイギリス政府の発表により概要は見えてきました。そこで、2019年に発表された EU離脱ガイダンスをもとに、今後のUKCAマーキングの一部であるイギリス機械供給(安全)規則についてみていきましょう。

  

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目的

機械の供給(安全)規則2008は、機械がイギリス市場に出される、または使用される前に満たさなければならない本質的な健康と安全の要件を規定したもので、安全な機械が「本質的な健康及び安全要件」をどのように満たしているかを製造者が示すことを要求することで、安全な機械が市場に出され又は使用されることを確保することを目的にしています。

<ポイント>
機械安全に対する原則は、CEマーキングの時と何ら変わりはありません。

 

背景

機械供給(安全)規則 2008は、機械に関する指令2006/42/ECを実装したののです。2018年のEU離脱法は、イギリスがEUを離脱した後にも効果的に機能するように、同規則を維持・改正します、2019年改正規則は、イギリスがEUを離脱した際に生じた不具合を修正し、イギリス市場への具体的な提供を規定しています。

<ポイント>
イギリスがEUを離脱した後にも、機械供給(安全)規則 2008は維持されます。

 

適用範囲

この規則は、次のものに適用します。

人力または動物を直接の動力源とするもの以外の駆動系に取り付けたり、取り付けることを意図されたもので、少なくとも一つのパーツまたは部品は可動で、特定用途のために組み合わせられる接続パーツまたは部品の集まり

前文で言及されている集まりで、これを現場において接続するための部品、またはエネルギー動力源に接続するための部品だけが欠けているもの

第一文および第二文で言及されている集まりで、輸送手段に取り付けられる場合に限って設置することができ、その状態で機能することが可能であるか、またはビルや構造物に設置されたもの

  第一文、第二文、および第三文で言及されている機械類の集まり、または(g)項で言及されている半完成機械類の集まりで、同じ目的を達成するために、一体として機能するように配置および制御されるもの

接続パーツまたは部品の集まりで、少なくとも一つのパーツまたは部品が可動であって、一つに組み合わせられ、貨物の持ち上げを意図し、唯一の動力源が直接人力を応用したものであるもの

機械類またはトラクターの使用開始後に、その機能を変更したり、新しい機能を与えたりするために、当該機械類またはトラクターに操作者自身が組み付ける装置のことで、この機器が工具ではない場合についていう。

安全部品
- 安全機能の実現に役立つもの
- 単独で市場に出荷されるもの
- その部品の故障および/または誤動作が人の安全を危険にさらすもの、および
- 機械類が動作するのに必要ではないか、または機械類を動作させるためにその部品に代えて通常の部品を使用できるもの

以下は省略

 <ポイント>
適用範囲は、CEマーキングの機械指令と同じです。

 

要件

「責任者J が、完成した機械、部分的に完成した機械又は安全構成部品を供給において、改正機械供給(安全)規則 2008に適合しないしない限り、違反とする。
改正機械供給(安全)規則 2008への適合は、本質的な健康および安全要件(EHSR)が満たされていることを確保することを含みます。必要な適合性評価手続の実施し適合宣言書の作成また、機械にUKCAマークまたはCEのマークが付いていることを確認してください。

 <ポイント>
機械供給(安全)規則 2008は、強制規則である。

 

責任者の義務

責任者とは、機械の製造者または製造者に委任された代理人です。
責任者の義務は、次のとおりです。
1. 責任者は、安全でない限り、機械を市場に出す、または使用に供してはいけません。
2. 責任者は、それに関して本質的な健康と安全要件が満たされることを確実にしなけれ
ばなりません。
3 テクニカルファイルが編纂(コンパイル)され要求に応じて利用できるようにしなければなりません。
4. 安全に操作するために必要な情報を提供しなければなりません。
5. 加盟国は、関連する適合性評価手順が実施されることを確保しなければなりません。
6. 加盟国は適合宣言書を作成し、その写しが機械に添付されていることを確認しなければなりません。
7.該当するCEマークを機械に貼付しなければなりません。
8.部分的に完成した機械については、責任者は、組み立て説明書が準備されているこ
とを確認し、宣言書が作成されていることと、その両方が機械に組み込まれるまで部分的に完成した機械に付属していることを確認しなければなりません。

 <ポイント>
UKCAの製造者の義務はCEマーキングと同じです。

 

委任代理人の義務:省略します。

 

経過措置

同等のEU要件の下で完全な適合性評価を受けた、CEマークを有する機械は、イギリス法規に適合しているとみなされ、UKCAマークと同じようにイギリス市場に投入することができます。

イギリスは、EUが承認した適合性評価機関がイギリス市場向けの機械類を評価する能力があることを引き続き認識しています。イギリスがEUを離脱する前にEUが承認した認証機関によって評価された機械は、イギリス市場に投入される前に再評価する必要はありません。さらに、期間限定で、EU公認の認証機関によって評価された機械は、イギリス市場に投入することができます。

この「みなし条項」は期間限定で利用可能です。今後、法改正の対象となるが、時期は未定。政府は、産業界と協議し、この期間を終了する前に通知を行う。

 <ポイント>
この政府が行うとされた通知が、2020年9月1日の発表です。この発表では、2021年1月1日からUKCAマーキング(UKCA marking)への変更が始まり、CEマーキングからの移行期間は、1年間(2021年12月31日まで)と発表されました

 

 

UKCAマーク

第三者機関による評価:
UKCA適合マークは、英国認定機関によって評価された英国市場に投入される機械のCEマークに代わるものです。その他、すべての場合において、製造者は、期間限定で新しいUKCAマークの代わりに、英国市場に投入される機械のために、CEマークを使用し続けることができます。政府は、産業界と関わり、この期間をいつ終了するかを決定する。新しいUKCAマーキングを物理的な表示関する規則は、現在CEマーキングの適用に適用されているものを反映します。

自己評価:
製造者による自己適合宣言に基づくCEマーキングは、EUへの輸出時を含め、輸出前の場所で引き続き可能です。イギリス市場で機械を販売する製造者は、イギリス市場に機械を投入する前に、CEマーキング代わりに新しいUKCA適合マーキングを表示することができます。該当する場合は、自己宣言に基づいてUKCAマークとCEママークの両方を同一製品に貼付することもでます。EUに輸出する場合、CEマーキングは必須のままです。

 

 <ポイント>
製品に、CEマークとUKCAマークを同時に表示することが可能です。

 

CEマーク商品の英国市場への投入:省略します

認証機関(アプルーブドボディ)

イギリスの規則に反する。既存のイギリスの認証機関は、新しいイギリスの「認証機関(アプルーブドボディ)」ステータスを付与され、新しいイギリスのデータベースに登録されています。イギリスを拠点とする既存の認証機関(ノーティファイドボディ)は、英国の認証機関(アプルーブドボディ)としての地位を享受するために再認定を求める必要はありません。これらの認証機関(アプルーブドボディ)には、4桁の認証機関番号が与えられています。

認証機関は、イギリス市場向け製品をイギリスの必須要件(EUの必須要件と実質的に同
じである)に照らして評価することができます。

 

強制

事業場で使用することを目的とした製品については、労働安全衛生(HSE)の英国に
おける規則の施行に責任を負ういます。

中略

 

罰則

この本規則に基づいて犯罪を犯した者は、刑罰を科されることがあります。罰則には、最も重大な罪に対する罰金または2年以下の懲役が含まれます。執行当局は、事案の状況、当局自身の規制者法に沿った方針、運用手順及び慣行を考慮して、各事案においてどのような措置が適切であるかを決定することが重要である。起訴が行われた場合、違反者に科される刑罰を決定するのは裁判所の裁量になります。

 

以下の項目は省略します。欧州機械指令と同じです。

 

書籍名:「CEマーキング自己認証者のための UKCA対応ガイド」
価格: 600円(税込み) 形式: PDFファイル
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MSDコンサルティング