機械安全の法律・規格と設計手法

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機械の起動に関する要求事項|機械指令の基本的な健康と安全の要件(EHSR)

意図しないまたは予期しない起動は、機械類の重大な事故の原因になります。

機械の起動に関しての要求事項は、作業者が制御装置を使用して起動命令を出したときにのみ機械が起動することです。 このことは、機械が運転される開始時の最初の起動に適用されるものですが、停止後に機械を再起動する場合、または機械の速度の調整など、動作条件に大幅な変更を加える場合にも適用されます。

 

今日は、Essential Health and Safety Requirements (EHSRs) の必須要求事項の中から1.2.3 の機械の起動について解説します。

1.2.3 機械の起動(Starting)
機械の起動は、目的のために設けられた制御装置を意識的に操作することによってのみ可能でなければならない。
同じ要求事項はつぎの場合にも適用する:

  • いかなる理由であれ、停止後に機械類を再起動する場合、
  • 運転条件を大幅に変更した場合。

ただし、危険状態へ移行することがない状況においては、機械類の再起動または運転条件の変更がその目的のために設けられた制御装置以外の意識的に操作する装置によって有効化されてもよい。

自動モードで機能している機械類の場合、機械類の起動・停止後の再起動、または運転条件の変更は、人の介在がなく危険状態への移行がなければ可能としてよい。

機械類が複数の起動制御装置を有し、それにより複数の操作者がお互いを危険にする可能性がある場合には、追加の装置をリスクを排除するために備えなければならない。安全が機械の起動および/または 停止が特定の順序で実行することを要求する場合には、それらの操作が正しい順序で実行されることを確保する装置を備えなければならない。

 

設計のポイント

安全装置の作動により機械が停止した場合は、インターロック可動ガードが閉じられる、停止制御の解除、または秘蔵停止制御の解除によって、機械が再起動してはなりません。

但し、例外的に、短い作業サイクルで機械の起動制御装置で繰り返し操作をする必要がある場合は、人間工学的な理由から、例えば、インターロックされたガードが閉まることによって、または、保護装置の検知領域からの人がいなくなったことをで起動させることは可能です。ただし、これらの例外的な解決法は、機械が意図しないまたは予期しない始動のリスクを防ぐための適切な保護手段を使用して設計・製造されている場合にのみ適用な方法です。例えば、扉付きの工作機械の場合で内部に作業者が残されたまま扉が閉まる空間が無い場合は、扉を閉めることで起動再開をすることができる場合があります。

 

  

MSDコンサルティング