機械安全の法律・規格と設計手法

安全な製品を設計・製造するために必要な法律・規格の情報を紹介しています。

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整合規格|移行期間

CEマーキングの技術文書(TCF/TCD)をチェックしていると時折、旧規格で製品仕様を確認している資料を見かけます。

新しい整合規格で製品仕様を確認し技術文書と宣言書の修正はすれば済むのならば、まだ良いのですが、規格に整合していないことが判明して、既に欧州に納入済みの製品に対して自主的な改修(リコール)が必要になったこともあります。

CEマーキングの整合規格は日々更新されています。定期的に規格の改正状況と整合規格リストの更新状況を確認しましょう。

今回の技術文書チェックは、固定式及び可動式ガードの設計に対して旧規格のEN953が使われているのを見つけました。幸い規格の要求項目の再確認を行ったところ製品仕様に影響を与えないことが確認できました。

旧EN953+A1:2009 => 新EN ISO 14120:2015  "Safety of machinery. Guards. General requirements for the design and construction of fixed and movable guards"
EN ISO 14120:2015  (外部参照)

 

次の3つの規格は、私がよく安全設計に利用する機械指令の整合規格ですが、新しいEN規格が発行済みで近い将来に旧整合規格は失効します。

 

旧EN1037:1995+A1:2008 => 新EN ISO 14118:2018  "Safety of machinery - Prevention of unexpected start-up"
機械指令の旧整合規格の失効日:19/September/2020

 

旧EN349+A1:2008 => 新EN ISO 13854:2019  "Safety of machinery. Minimum gaps to avoid crushing of parts of the human body"
機械指令の旧整合規格の失効日:未確定

 

旧EN574+A1:2008 => 新EN ISO 13851:2019  "Safety of machinery. Two-hand control devices. Principles for design and selection"
機械指令の旧整合規格の失効日:未確定

 

今までの製品と同じだから問題ないとは言えません。製品は変わっていなくでも、製品の許容リスクレベルや法令・規格の要求事項は日々変わっていきます。社内で定期的な法令・規格の改正状況の確認をルール化しておくことが重要です。

 

 

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