ゼロエナジーステート／ゼロメカニカルステート｜ロックアウト

ゼロ・エナジー・ステート（Zero Energy State: ZES）または ゼロ・メカニカル・ステート（ Zero Mechanical State: ZMS）とは、次の2つの状態が維持され安全状態になっていることを言います。

①動力源が遮断され機械類にエネルギーが供給されない

②機械内部のエネルギーの消散されてゼロの状態が確保されている

機械類を、この状態にすることで偶発的な身体的危害または傷害を引き起こす可能性を少なくすることで、安全性が最も高くなるというアメリカの工業界で提唱されている安全に関する最も重要な労働安全プログラムのひとつです。

「動力源の遮断」と「エネルギーの消散」

機械へのエネルギー供給が遮断されただけでは必ずしも安全な状態になっているとは言い切れません。

製品にはいろいろなエネルギーが内部に取り入れられています。例えば、電気エネルギ、流体の圧力、圧縮空気、運動エネルギー、位置エネルギなどです。

安全性が最も高くなる状態は、機械に入ってくるエネルギ（電気、圧縮空気、油圧）を遮断して、機械内部のエネルギーを解放した状態です。

エネルギーの消散状態の保持（ロックアウト）

機械類に対して、ゼロ・エナジー・ステート（Zero Energy State: ZES）または ゼロ・メカニカル・ステート（ Zero Mechanical State: ZMS）にするだけでは、まだ労働災害を防ぐには十分ではありません。なぜなら、第三者が機械類にエネルギー供給をする。例えば、機械の電源を入れたり、空圧や油圧を供給し危険な状態になる可能性があるからです。

引き起こす可能性が十分にあるエネルギ源がゼロである状態を保持であるロックアウトを行わななければなりません。

設計するときは、機械をロックアウト可能にしましょう。

• 製品の動作が生じるすべての電源供給を切ることができる遮断器を設け、その遮断器はOFFの位置で南京錠でロックできるようにしましょう。
• 制御盤などにおいては、電源遮断後に残留電圧が残らないように放電装置を設置や、残留電圧が残っている間は、扉を開くことがないようにしましょう。
• 油圧機器の場合は、仕切弁を遮断しエネルギー供給を止め、機械内部の圧力を解放した状態にし、その状態を南京錠でロックすることを可能にしましょう。
• タンクやアキュムレータを使用している場合は、その内部の圧力を解放するか、または圧力放出を仕切弁で遮断しその状態を南京錠でロックすることを可能にしましょう。
• 機械的な位置エネルギ（例えば、重量物が上方に持ち上げられている）がある場合は、その位置エネルギーを小さくする（重量物を下に下げる）ことができる構造にしましょう。

MSDコンサルティング