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リスクベースド・メンテナンスとは|安全管理者が知っておくべきこと

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リスクベースド・メンテナンスとは

機械設備の老朽化や劣化損傷による故障のリスクアセスメントを行い、その評価結果に基づき保全や検査の計画・方策・再評価を行う手法です。リスクの大小による優先付けにより作業を計画することで、設備の信頼性向上や保全費の最適化をはかることができます。

 

リスクベースド・メンテナンス(RBM:Risk-based maintenance)は、障害が発生した場合に最もリスクが高い設備へのメンテナンス資源を優先します。これは、保守リソースの最も経済的な使用法を決定するための方法論です。これは、施設全体のメンテナンス作業が最適化され、障害のリスクを最小限に抑えるために行われます。

リスクベースド・メンテナンスの保守戦略は、次の2つの主要なフェーズに基づいています。

  1. リスクアセスメントの実施
  2. リスクアセスメントに基づく保守計画・方策・再評価

メンテナンスの種類と頻度は、故障のリスクに基づいて優先されます。障害のリスクと結果が大きい資産は、より頻繁に維持および監視されます。リスクの低い資産は、それほど厳しくないメンテナンスプログラムの対象となります。リスクベースのメンテナンスプロセスを実装することは、最も経済的な方法で施設全体の障害の総リスクを最小限に抑えることを意味します。

 

実施手順
  1. データを収集:特定されたリスクごとに、データを収集しなければなりません。これには、リスク、その一般的な結果、およびリスクを軽減および予防するために使用される一般的な方法に関する情報が含まれます。
  2. リスクアセスメント:この段階では、検討する設備に対してリスクの確率とリスクの結果の両方を定量化します。
  3. リスクレベル評価:リスクアセスメントが完了すると、確率と結果が組み合わされて、総リスクが決定します。この総リスクは、事前に決定されたリスクのレベルに対してランク付けされます。結果として、リスクは許容できるか許容できないかのどちらかです。
  4. メンテナンス計画:リスクが許容できない場合は、状態監視アプローチを使用してシステムを検査する計画が決定します。または、それがより費用的に適切であり、技術的に実施可能である場合、予防保守プログラムが選択されることがあります。
  5. 方策の提案:この段階で、状態監視および保守アプローチを使用してリスクを軽減するための提案が準備します。
  6. 再評価:最後に、提案は、法的要件や規制要件などの他の要因に対して評価されます。提案のニーズが満たされない場合、プロセスが再開されます。それ以外の場合は、メンテナンス提案を実施します。

 

 

MSDコンサルティング

 

関連サイト

 

en.wikipedia.org

www.fiixsoftware.com

www.keyence.co.jp