機械安全の法律・規格と設計手法

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EMC指令とは

EMC指令(2014/30/EU)は、電気および電子機器、システム、設備を含む広範な機器に適用されます。

EMC指令とは

EMC指令(2014/30/EU)は、電気および電子機器、システム、設備を含む広範な機器に適用されます。欧州内での製品に関して機器間 に関する電磁環境両立性を保証することを目的に 2014年3月29日に発効しました。
電磁両立性(Electromagnetic Compatibility)つまり、電磁妨害を発生させる可能性のある機器、または電磁妨害の影響を受ける機器が、他の機器への妨害や影響を受けずに設計された電磁環境で安全に使用できるようにすることを目的としています。

対象機器

機器の電磁適合性に関する基本的な要件は、指令の付属書Iに記載されています。
製造者または任命代理人は、EU適合宣言を作成して署名しなければなりません。
EMC指令は、無線機器指令(2014/53/EU)の対象となる機器には適用されません。市販されていないアマチュア無線や航空用の製品も指令の範囲から除外されます。電気・電子機器のほとんどは EMC 指令の対象になる。これは日本国内での電気関連法に指定された品目のみを対象とする規則とは大きく異なっている点です。

認証機関(ノーティファイドボディ)の関与

EMC適合性評価手順で、製造者は製品のEMC評価を行わなければなりません。EMC指令は、認証機関(ノーティファイドボディ)の介入は必須ではないため内部生産管理(モジュール A)が可能です。しかし、安全性の証となる技術的根拠は、技術文書、EMC計画の作成、EMC試験の実施、EMCテストレポートで示す必要があるため製造者自身での実施は実質困難です。実際には、EMC規格試験を専門業者に委託し、その専門業者を通してEMCテストレポート等の技術文書を認証機関(ノーティファイドボディ)に提示し、認証機関(ノーティファイドボディ)が指令の要件が満たしていることを確認し適合宣言(DoC)を発行する方法。つまり認証機関(ノーティファイドボディ)が介入した方法が一般的になっています。
その後に、製造者は、適合宣言書(DoC)を作成して、関連する指令への適合の唯一の責任者であることを宣言します。

EU適合宣言書

  • 装置の識別(製品、型式、シリアル番号等)
  • 製造者の名前や住所
  • この適合宣言は、製造者の責任において発行されていること
  • 適合が宣言されている整合規格の日付の付いた参照
  • 必要ならば、証明書(CoC)を発行した認証機関(ノーティファイドボディ)の名前や識別番号
  • 製造業者の発行場所、発行日、署名 

 

適合性評価 

この指令の対象となる装置の適合性評価は、指令の付属書IIとIIIに記載されています。認証機関(ノーティファイドボディ)が介入した方法が一般的になっているので詳細の説明はここでは割愛します。
EMC指令(外部参照)

 

EU適合宣言(DoC)

適合性評価が完了すると、EU適合宣言を作成し、CEマークが装置に張り付けられていることを確認しなければなりません。EU適合宣言(DoC)には、製造者の名前や住所、製品が準拠する基本的な特性、EN規格と検証データ、および認証機関(ノーティファイドボディ)の識別番号、ならび署名が含まれます。また、製品が「CE」マークが必要な他の指令の対象である場合には、EU適合宣言は製品が他の指令にも適合していることを示す必要があります。

EMC指令(外部参照)
CEマーキングの製造者の役割(外部参照)

 

 

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