機械安全の法律・規格と設計手法

安全な製品を設計・製造するために必要な法律・規格の情報を紹介しています。

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レーザ光への要求項目|機械指令の基本的な健康と安全の要件(EHSR)

f:id:msdco:20210930220615p:plainレーザー光源が組み込まれた機械類は多くあります。例えば、測定のため、物体検出のため、または、材料の熱処理、マーキング、切断、曲げまたは溶接のためにレーザ装置が機械に組み込まれます。レーザ光のリスクは、レーザ光の波長と強度に依存します。レーザー光にさらされると、目や皮膚の怪我や火傷を引き起こす可能性があります。

機械指令の基本的な健康と安全の要件 Essential Health and Safety Requirements (EHSRs) の必須要求事項の中から1.5.12 のレーザ光について解説します。

1.5.12 レーザ放射(Laser radiation)
レーザ装置が使われる場合には、次の各条項を考慮する必要がある:

  • 機械類に備えられたレーザ装置は、偶発的放射を生じないように設計・製造されなければならない、
  • 機械類に備えられたレーザ装置は、放射、反射または拡散で生じる放射、及び二次放射が健康に障害を与えないように防護されなければならない、
  • 機械類に備えられたレーザ装置の観察または調整用の光学装置は、レーザによる健康上のリスクを生じないようにしなければならない。

 

レーザ光による労働者の暴露を最小限にするため、機械は、レーザ光源を機械に統合して、光線が必要な場所と時間にのみ使用されるように設計しなければなりません。必要に応じて、局所的または周辺にシールドやスクリーンを取り付けて、有害な直接光、反射光、または散乱光から作業者を守らなければなりません。

レーザ加工機は、通常の運転中は製造区域へのアクセスを防止しなければなりません。設置や調整などの目的で、作業者がレーザー機器にアクセスする必要がある場合には、損傷のリスクを低減させるためレーザー光に対する個人保護具の使用に関する指示を行わなければなりません。

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レーザービーム

レーザー光線にさらされないように注意する

  

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可視光線または不可視光線

可視光線または不可視光線による治療を受けている人々が不透明な目の保護具を着用していることを確認する

 

参考規格

レーザ加工機

EN ISO 11553-1:2020 BS EN ISO 11553-1:2020 - Safety of machinery. Laser processing machines. Laser safety requirements


EN ISO 11553-2:2008 BS EN ISO 11553-2:2008 - Safety of machinery. Laser processing machines. Safety requirements for hand-held laser processing devices – BSI British Standards

 

保護スクリーンの仕様

EN 12254:2010 BS EN 12254:2010 - Screens for laser working places. Safety requirements and testing

 

  

 

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