機械安全の法律・規格と設計手法

安全な製品を設計・製造するために必要な法律・規格の情報を紹介しています。

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なぜ、国際安全規格に適合するのが良いのか?

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お客様(製造者)から質問で多いのが次のような質問です。

  • 「台湾から引き合い(商談)があるんだけど、何か(安全上の)問題はある?」
  • 「トルコに輸出したいんだけど、CEマークで大丈夫だよね?」
  • 「この機械をイスラエルに売ってもいいよね!」

これ程度の質問の回答ならば、サブスクリプションサービス(定期契約)の範囲なので多くの場合の回答は、「最新の情報を調査してみるので2,3日待ってください。ちなみにその製品は国際安全規格に適合させていますよね」になります。

 

ちなみに、「国際安全規格に適合させていますよね」とは、具体的に言えば、

  1. ISO 12100に基づいたリスクアセスメントを実施して記録がある
  2. リスクに対してタイプB規格に従って安全方策を実施して検証済み(タイプC規格がある場合はその規格に漏れなく適合している)
  3. それでも残ったリスクについて取扱説明書や警告ラベルでユーザに情報提供可能である。

上記が実施済みの製品ですよね! という意味で聞いています。

 

その上で、対象国独自の基準や手続き(規制)の概要を調査して報告することになります。対象国の手続き(規制)に対しての対応支援は追加料金をくださいって感じになります。

 

なぜ、国際安全規格に適合していることを確認するのか?

それは、国際安全規格に適合していることは、その国の安全必須項目に対して100点ではないにせよ、それなりには合格点に達していることを意味するからです。

多くの日本人が持たない欧米人がもつ安全に対しての価値観や感覚を定量的・定性的に
表したものが「国際安全規格(欧州EN規格)」だと考えています。

つまり「国際安全規格」は、安全に対しての価値観や感覚が欧米人とは異なる日本人が、欧米人が求める安全のニーズに沿った製品を作るためのツールだと私は考えています。

国際安全規格のもとになった欧州EN規格は、多くの異なる言語・文化・価値観を包括して欧州単一市場を生み出すために考え抜かれた技術であり、そして、その流れを汲む国際安全規格も同様に、異なる言語・文化・価値観の者であったとしても、それに適合させることで社会(世界)の平均的な価値観に近づくことができるツールであると考えています。

なぜ、国際安全規格に適合するのか良いのか? それは、国際安全規格に適合した製品をベースにすれば、たとえ、対象国独自の基準や手続き(規制)があったとしてもその違いの部分のみをモディファイ(圧力容器の認証、認証高効率三相誘導モータ、認証機関の検査を受ける、ケーブルの配線色など)すれば、その市場に適合した製品を容易に仕上げることができるからです。

 


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