機械安全の法律・規格と設計手法

安全な製品を設計・製造するために必要な法律・規格の情報を紹介しています。

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フェールセーフ化の方法|工作機械等の制御機構のフェールセーフ化に関するガイドライン

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フェールセーフとひとことで言ってもその手法は数多くあります。工作機械等の制御機構のフェールセーフ化に関するガイドラインから主な手法を抜き出してみました。

 

オフ確認:

ボタンを押して接点を閉じる動作に続けて、ボタンを離して接点を開く動作を行ったときに初めて起動信号又は始動信号を発生させる方法

 

再起動防止:

起動操作によって自己保持回路が作動して自己保持を開始し、作業者が停止操作を行ったとき又は安全装置が作動したとき等には自己保持を解除し、機械の再起動を防止する方法

ノーマルクローズ型の利用:

ノーマルクローズ型の弁又はブレーキによって、故障時には、労働災害を発生させない形で機械を停止させる方法

強制引き離し:

作業者が非常停止装置を操作するときの力、作業者が可動ガードを開くときの力、機械の可動部がスイッチと接触するときの力等を直接利用して、ノーマルクローズ型スイッチの接点を強制的に引き離し、労働災害を発生させない形で機械を停止させる方法

相反モードによる監視の利用:

相反するモード(正モードと負モード)のスイッチを二個設けて、ガード開閉の正常性を監視し、正常でないときは労働災害を発生させない形で機械を停止させる方法

発振回路の利用:

入力によって発振するように回路を構成し、故障時には発振が停止することを利用して故障を検出するとともに、回路の出力をオフとする方法

交流信号の利用:

安全情報を交流信号として伝達し、故障時には直流出力が生じることを利用して故障を検出するとともに、回路の出力をオフとする方法

電源枠外処理:

安全情報を電源電圧より高い電圧に設定することにより、信号線と電源線の混触による誤った安全情報の伝達を防止する方法

フェールセーフなチェック回路の利用:

フェールセーフなチェック回路によって、制御機構を構成する非フェールセーフな安全装置や部品類に故障が生じていないかを常時チェックする方法

二重化不一致検出:

接点又は弁を二重化し、二つの動作が不一致のときは、接点又は弁に溶着又は固着が起きたとみなして、労働災害を発生させない形で機械を停止させる方法

バックチェック:

通電時に閉じる接点(以下「a接点」という。)に溶着が生じたとき、対となる通電時に開く接点(以下「b接点」という。)によってこれを検出し、直ちに機械を停止させる又は次のサイクルの運転を開始させない方法

非溶着:

本質的に溶着しない接点を用いる方法


非対称誤り特性を持つ物理特性の利用:

安全情報の生成が停止したとき、重力の作用によって機械的機構が自然に落下し、安全を確保する方法及び加熱等が生じたとき、温度センサ固有の物理特性に基づいてセンサの抵抗値等が増大し、機械への通電を遮断する方法等