機械安全の法律・規格と設計手法

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使用上の情報の内容及び提供方法|機械の包括的な安全基準に関する指針 別表第5|労働安全コンサルタント試験

「使用上の情報の内容及び提供方法」とは、機械を譲渡又は貸与される者(使用者)に対し、製造者(メーカ)が機械を安全に使用するために必要な情報を標識・警告表示、警報装置、取扱説明書といった手段で伝えることです。厚生労働省から「機械の包括的な安全基準に関する指針(平成19年7月31日 基発第731001号) の別表5」が示されています。

 

指針(リンク)

機械の包括的な安全基準に関する指針は、ISO12100の原案に沿って平成13年6月にISO-DIS12100を参考に厚生労働省で策定され、平成19年7月にISO12100 の最新の知見(ISO規格)を反映し、改正されました。「使用上の情報の内容及び提供方法」は、その別表第5に|安全衛生情報センター(外部リンク)に示されています。

 

別表第5 使用上の情報の内容及び提供方法の概要

1 使用上の情報に必要な内容
  1. 製造の名称及び住所
  2. 型式又は製造番号等の機械の情報
  3. 機械の仕様や構造の情報
  4. 機械の使用の情報
    • 意図する使用の目的及び方法
    • 運搬、設置、試運転等
    • 解体、廃棄等
    • 機械の故障、異常等
    • 合理的に予見可能な誤使用や禁止する使用
  5. 安全防護や付加保護方策の情報
    • 目的(対象となる危険性又は有害性)
    • 設置位置
    • 安全機能及びその構成
  6. 機械の残留リスク等に関する情報
    • 製造者で除去や低減できなかった残留リスク
    • 特定の用途や付属品の使用で生じるリスク
    • 使用が実施する安全防護、付加保護方策、労働者教育、個人用保護具の使用等の保護方策の内容
    • 取扱われ又は放出される化学物質の安全データシート
2 使用上の情報の提供の方法
  1. 標識、警告表示等の貼付
    • 危害が発生するおそれのある箇所の近傍の機械の内部、側面、上部等の適切な場所
    • 機械の寿命を通じて明瞭に判読可能であること。
    • 容易にはく離しない
    • 標識又は警告表示は、次に定めるところによるものとすること。
      •  危害の種類及び内容の説
      • 禁止事項又は行うべき事項が指示
      • 明確かつ直ちに理解できるもの
      • 再提供することが可能である
  2. 警報装置について
    • 聴覚信号又は視覚信号による警報が必要に応じ使用されている
    • 機械の内部、側面、上部等の適切な場所に設置されている
    • 機械の起動、速度超過等重要な警告を発するために使用する警報装置は、次に定めるところによるものとする
      • 危険事象を予測して、危険事象が発生する前に発せられる
      • 曖昧でない
      • 確実に感知又は認識でき、かつ、他のすべての信号と識別できる
      • 感覚の慣れが生じにくい警告とする
      • 信号を発する箇所は、点検が容易なものとする
  3. 取扱説明書等の文書
    • 機械本体の納入時又はそれ以前の適切な時期に提供される
    • 機械が廃棄されるときまで判読が可能な耐久性のあるものとする
    • 可能な限り簡潔で、理解しやすい表現で記述されている
    • 再提供することが可能である

 

 

参考:労働安全コンサルタント試験 (産業安全一般)

第47回 問29

次のA~Eの情報について、厚生労働省の「機械の包括的な安全基準に関する指針」に基づき、機械の製造等を行う者から機械を譲渡又は貸与される者に対して提供する使用上の情報の内容に含まれるもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。

  1. 型式又は製造番号等の機械を特定するための情報
  2. 機械の合理的に予見可能な誤使用に関する情報
  3. 製造等を行う者による保護方策で除去できなかったリスクに関する情報
  4. 機械を使用する事業者が実施すべき安全防護、付加保護方策、労働者教育、個人用保護具の使用等の保護方策の内容に関する情報

(1)A B
(2)A B C D
(3)A C
(4)B C D
(5)D

 

 

 

 

 

 

正解は(2)です。

   

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