機械安全の法律・規格と設計手法

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機械保守への要求事項|機械指令の基本的な健康と安全の要件(EHSR)

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一般産業機械において、事故や労働災害を防ぐ基本は、機械の危険源と作業者を接近させないことです。多くの労働災害は、機械の運転中よりも、むしろ保守やセットアップ時に発生しています。

機械の調整箇所と保守個所を機械の危険領域の外側に配置すると、保守や調整時に作業者が危険領域に入る必要がなくなり、その目的で固定ガードを取り外したり、インターロック可動ガードを開いたりする必要がなくなり、労働災害発生の可能性が減ります。

機械指令の基本的な健康と安全の要件 Essential Health and Safety Requirements (EHSRs) の必須要求事項の中から1.6.1 の機械類の保守について解説します。

 

1.6.1 機械類の保守(Machinery maintenance)

調整および保守の作業位置は、危険区域外に配置しなければならない。機械類の停止中に調整・保守・修理・清掃およびサービス作業を実施することが可能でなければならない。
上記条件のひとつ以上が技術的理由で満足できない場合は、それらの作業が安全に実行することができることを確保するための対策が講じられなければならない。
自動化機械の場合、また必要に応じて他の機械の場合でも、故障検出をする診断装置の取り付けのための接続器具を備えなければならない。
頻繁に変更することが必要な自動化機械類の構成部品は、容易で安全に取外したり取替えたりすることができるものでなければならない。そのような構成部品への接近は、特定の作業方法に従った必要な技術的手段によって実行できる作業としなければならない。

 

機械が停止しているときに保守作業が行えるように機械を設計しましょう。 たとえば、清掃、装置の交換が必要な場合には、機械を起動せずに装置を取り外すことができる方法を考えましょう。もし、そのために特別な工具や機器が必要な場合は、それは機械に備えていなければなりません。機械全体を停止することが難しい場合には、作業を行う部分や作業者の安全に影響を与える部分が停止させることを考えましょう。

保守の目的で危険領域に侵入せざるを得ない、または、機械の運転中に特定の操作や調整を行わなければならない場合があります。その場合、機械の制御システムに適切な安全動作モードなければいけません。

自動化された機械の場合には、作業者の介入によるリスクを軽減を考慮しましょう。故障の診断検出機能を手段を備えた機械にすることも重要な項目です。

頻繁に交換する必要のある装置の交換作業を容易にするための自動化を取り入れることも重要な項目です。

 

MSDコンサルティング