機械安全の法律・規格と設計手法

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危険源(ハザード)を見つけ出す|EN ISO 12100

機械類のリスクアセスメントを行う場合に、まず初めに行わなければならないことが、機械類に存在するすべての危険源(ハザード)を見つけ出すことです。

危険源とは、EN ISO 12100では、危害を引き起こす潜在的根源であると定義されています。ISO12100で例示される危険源には次のようなものがあります。まずは、このリストを手掛かりに危険源を見つけ出すことからはじめてみましょう。

 

1.機械的な危険源

1) 機械的な危険押しつぶし、切断、巻き込み、衝撃、裂傷など、機械又は機械の一部により発生する危険性。

  • 形状、位置、重力、質量や速度の運動エネルギー、機械強度不足
  • 弾性要素、加圧下の液体や気体、真空効果の蓄積エネルギー
  • 押しつぶし、せん断、切傷や切断、巻き込み、引き込みや捕捉、衝撃、突き刺し 擦過やこすれ、高圧流体の注入や噴出

 

2.電気的な危険

導電部への接触、静電気、落雷など、感電による危険性。充電部への直接や間接接触、高圧充電部への接近、静電気、短絡や過負荷による熱放射、溶融物の放出

 

3.熱的な危険

高温部への接触、高温又は低温環境下での作業などの危険性。高温や極低温体・材料への接触による火傷や熱傷、高温や低温環境による健康障害

 

4.騒音による危険

聴力喪失、耳鳴り、平衡感覚の喪失などの危険性、過大な音源による聴力損失、平衝感覚喪失、口答伝達や音響信号の障害

 

5.振動による危険

血行障害、神経障害、関節障害などの危険性
振動工具などによる血管障害、劣悪な姿勢での全身振動

 

6.放射線による危険

X線、低周波、無線、マイクロ波、紫外光などの危険性、低周波、マイクロ波、電磁波、紫外線、γ線、X線、レーザー光、α波、β波、電子ビーム、中性子線

 

7.有害化学物質による危険

有害物質の吸引、爆発などの危険性、機械で処理・加工・排出される有害性液体や気体への接触による障害、危険物の火災/爆発、ウイルス、微生物などの病原体による疾病


8.人間工学無視による危険

不自然な姿勢などによる生理学的な悪影響などの危険性、無理な姿勢、照度の過不足、精神的なストレスなど人にエラーを誘発させる、機器や環境的な要素、手動制御器、表示器の不適切な設計・配置

 

9.機械の使用環境の危険源

粉塵/ミスト、電磁妨害、雷、湿度、汚染、雪、温度、水、風による その他

 

10.組み合わせの危険源

上記の危険源の組み合わせ

 

 

MSDコンサルティング