機械安全の法律・規格と設計手法

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危険性又は有害性等の調査等に関する指針(概要)| リスクアセスメントとリスク低減

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危険性又は有害性等の調査等に関する指針

平成18年3月10日 基発第0310001号

この指針は、生産工程の多様化・複雑化、新たな機械設備・化学物質が導入より、労働災害の原因が多様化とその把握が困難になっていることに対して、従来の特定の危険な機械に対するものではなく、すべての機械に適用できる安全方策に関する基準(機械の包括的な安全基準)を示したものです。

事業者が自主的に個々の事業場の建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)を実施し、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずることを求めています。

 

指針と解説(リンク)

危険性又は有害性等の調査等に関する指針は、労働安全衛生法第28条の2第2項の規定に基づき、当該措置が各事業場において適切かつ有効に実施されるよう、その基本的な考え方及び実施事項について定めたものです。危険性又は有害性等の調査等に関する指針基発第0310001号  平成18年3月10日(外部リンクPDF)

また、その内容をより具体的に示したものが、「危険性又は有害性等の調査等に関する指針 同解説」の解説等です。危険性又は有害性等の調査等に関する指針 同解説(外部リンクPDF)

 

危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)

危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)とは、作業現場にある危険性又は有害性(リスク)を特定し、リスクの除去、低減措置を検討し、その結果を記録する一連の安全活動です。

作業現場にある危険性又は有害性(リスク)による労働災害(健康障害を含む)の重篤度(けがなどの程度)とその災害が発生する可能性を組み合わせてリスクを見積り、そのリスクの大きさに基づいて対策の優先度を決めた上で、リスクの除去、低減措置を検討し、実施します。

事業者は、自らがこの安全衛生管理活動を行わなくてはなりません。このリスクアセスメントは、労働災害防止のための先取り型の安全活動であり、従来までの自社で発生した労働災害から学び、労働災害発生後に行う後追い型とは異なる取組です。

 

実施体制について

事業者は、危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)とその結果に基づくリスク低減措置は、次の体制で実施しなければなりません。安全衛生委員会等の活用等により関係労働者の意見聴取の機会を活用することが含まれ、リスクアセスメントの結果を労働者に周知しなければなりません。

  • 事業の実施の統括管理者(事業場のトップ)
  • 安全管理者,衛生管理者等
  • 職長や係長などの作業中の労働者を直接指導又は監督する者
  • 機械の設備などの専門的な知識を有するもの
  • 必要な場合が外部のコンサルタントの助力を得る

実施の準備

  1. 経営トップ(経営者・工場長)の導入宣言
  2. 安全衛生委員会等で調査審議等
  3. リスクアセスメントの実施手順の作成
  4. リスクアセスメントの試行及び試行結果による見直し
  5. 関係者へのリスクアセスメント教育の実施

実施時期

リスクアセスメントは、設備、原材料、作業方法などを新規に採用し、又は変更するなどリスクに変化が生じたときはもとより、機械設備等の経年劣化、労働者の入れ替わり等を踏まえ、定期的に実施しなければなりません。

 

対象の選定

危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)とその結果に基づくリスク低減措置は、作業現場にある危険性又は有害性(リスク)により労働者の危険又は健康障害の発生が合理的に予見できる場合について行わなければなりません。

 

 

 

 

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