機械安全の法律・規格と設計手法

安全な製品を設計・製造するために必要な法律・規格の情報を紹介しています。

メニュー

電流通過による人体への影響|安全管理者が知っておくべきこと

f:id:msdco:20210920161017p:plain


人体に電流が流れたとき、電流の大きさ、人体を通過する時間、通電経路によって、人体への影響は痛みを感じる程度から、火傷、死亡といった重大な結果にまで及びます。

感電の重症度は、電流の強さ、電流の種類、体に流れた電流の経路、電流との接触時間、電流に対する電気抵抗により決まりますが、人体への通過電流の電流値と人体への影響を次に示します。

人体への通過電流の電流値と人体への影響

  電流値    人体への影響
0.5mA~1mA

・指や腕などに痛みを感じるが、人体に危険性はない

5mA

・相応の痛みを感じる

・人体に悪影響を及ぼさない最大許容電流

10~20mA

離脱の限界(不随意電流)、握った電線を離せなくなる

・持続して筋肉の収縮が起こり、呼吸困難や血圧上昇が起こる

50mA

・気絶、人体構造損傷の可能性

・心臓の律動異常の発生、心肺停止の可能性

・呼吸器系等への影響

100mA

心室細動の発生心肺停止、極めて危険な状態

 

例えば、200Vの活線に接触した場合、電流は人体を通って大地に流れます。人体は電気抵抗があり、ひふ表面の乾燥度や湿度などにも影響されますが2,000Ω程が人体の電気抵抗値とすると。

人体に流れる電流値は i=200/2000=100mA になり

200Vの活線に接触は、心室細動の発生、心肺停止、極めて危険な状態になることがわかります。

また、感電を防止するための漏電遮断器は、高感度、高速形である30mA、0.1秒のものが一般的に採用されていますが、漏電遮断器が作動したとしても負傷を負うことになります。

 

anzeninfo.mhlw.go.jp

 

 

MSDコンサルティング