機械安全の法律・規格と設計手法

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ニューアプローチ指令とは欧州委員会が1985年に、欧州加盟国内で製品の安全性や品質や環境の保護の基準を統一するために「技術的調和と標準への新しいアプローチに関するの議会決議(85/C 136/01)」の以降に、このアプローチに基づいて定められた指令の総称です。

  

ニューアプローチ指令とは

欧州委員会が1985年に、欧州加盟国内で製品の安全性や品質や環境の保護の基準を統一するために「技術的調和と標準への新しいアプローチに関するの議会決議(85/C 136/01)」の以降に、このアプローチに基づいて定められた指令の総称です。規制統一を目指した従来の考え方とは違う、新しい考え方で定めた指令であるため総称してニューアプローチ指令と呼ばれています。

ニューアプローチ指令の規定

欧州加盟国内での製品の自由な移動、および人・環境の保護という本質的な要請を満たすための必須要求事項のみを規定したものです。その後,1989年に「適合性評価へのグローバルなアプローチに関する理事会決議(90/C 10/01) 」で製品の適合性審査に関する EU の政策の原則を規定し、1993 年に,「CEマーキングの導入を理事会決定(93/465/EEC)」しました。

整合規格(Harmonised Standard)とは

ニューアプローチに基づく「指令」は,必須要求事項(Essential Requirements)のみを規定しています。この必須要求事項に適合する製品の標準は整合規格(Harmonised Standard)と呼ばれ,その規格は欧州標準化機関(CEN, CENELEC, ETSI)が定めています。この整合規格の採否は、各加盟国の判断であるが、それを用いない場合、第三者機関や自らが規範的文書(技術標準、実施基準、規制)により適合性を証明しなければならないとされています。

実は適合性確認はEN規格でなくても良い

一般的には、製品をEN規格の中から選び出された整合規格(Harmonised Standard)に適合させることで「指令」の必須要求事項を満たすことを証明する方法が行われています。ニューアプローチに基づく「指令」は規範的文書(技術標準、実施基準、規制)により適合性を証明すればよい。言い換えれば、製品をEU加盟国に輸出する場合、JIS規格や業界団体基準を用いても良いことになっているが、実際に必須要求事項の整合性を証明することは難しいたため、EN規格を用いて各指令の整合性を示すことが一般的なCEマーキングの適合宣言の重要な取り組みになっています。

主な対象製品

ニューアプローチ指令は主に産業製品を対象にしています。例えば、電気電子機器、機械、通信機器、圧力機器、保護具、玩具などです。EU加盟国に上市するまたは使用することが意図された製品に適用され、加盟国内で生産された製品、日本などの海外から輸入された製品を対象とするとともに、中古品にも適用されます。
一方、製品ごとに技術的な詳細が細かく示された指令もあります。これは、総称してオールドアプローチ指令と呼ばれています。例えば、自動車、食料品、化粧品、衣料品などがあります。

 MSDコンサルティング