BrexitでEU公用語の英語はどうなる?
イギリスがEU離脱なら
英語はEUの公用語でなくなる?
CEマーキング移行期間の終了日(2020年12月31日)が迫ってきています。UKCA( UK conformity Assessed)への変更はどのようになるのか?が話題に上っていますが。実はEU加盟国に輸出する時のCEマーキングにも影響を与えますBREXIT 移行期間の終了後のEU加盟国に輸出への影響も大きいのです。
欧州連合理事会本部のあるヨーロッパビルディングのアトリウムでイギリス国旗を片づけるEU職員(ベルギー・ブリュッセル、1月31日)(Photo by Thierry Monasse/Getty Images)
目次
- Brexit後にEU加盟国の英語について
- テクニカルファイルを英語以外のEU公用語で書かなければいけない?
- EU適合宣言書を英語以外のEU公用語で書かなければいけない?
- 現実的に考えれば、英語は残るでしょう!
Brexit後にEU加盟国の英語について
意外と気づいていない方も多いのですが、EU加盟国において英語は英国(イギリス)のみで使用される公用語なのです。英国(イギリス)のEU離脱を受けて、英語がEUの公用語から外される可能性があるとされています。 「イギリスEU離脱なら、英語はEU公用語でなくなる」欧州議会幹部”. ニューズウィーク(外部リンク)(2016年6月29日)
イギリスのEU離脱を受けて、英語が公用語から外される可能性があるとされている。イギリスの他には加盟国ではマルタとアイルランドにおいて英語が公用語に規定されている国となっている。しかし、アイルランドではアイルランド語、マルタではマルタ語が第一公用語として制定されており、EUはその国が通達した第一言語のみを公用語とするという規定通りにいくと、イギリスのEU離脱により英語が公用語から除外されることになる。マルタにおいてはマルタ語が97%の母語であるが、アイルランドにおいては殆どの国民がEUに第一言語として通達されたアイルランド語ではなく英語を日常生活で使用している事や、英語は既にフランス語、ドイツ語と並ぶEUの作業言語となっているために、英語が公用語から除外された場合は問題となる可能性がある。
ニューズウィーク.(外部リンク) (2016年6月29日)
実際には、英語の使用を中止することは現実的には困難だと思われ、そのようなことはないと思うのですが、もし仮に英語はEU公用語でなくなった時の影響をCEマーキングで考えてみます。
テクニカルファイルを英語以外のEU公用語で書かなければいけない?
日本の企業の場合は、技術文書(テクニカルファイル)を英語または英語と日本語併記で作成しているはずです。これは、一般的に技術文書は、評価が実施される加盟国の公用語、認証機関(Notified Body:NB)が設立されている国の公用語、またはその国が容認している言語で記述することを要求されているからです。
実務でも、公的機関からの技術文書(テクニカルファイル)提出要求を受けた場合は、もとりあえずEU公用語の1つである英語で提出して、もしも要求があれば、要求があった文書をイタリア語とかフランス語に翻訳した文書を再提出していました。恐らく、CEマーキング移行期間の終了日しても、技術文書(テクニカルファイル)を英語以外のEU公用語で事前準備の必要になることはないと信じていますが・・・・
実務でも、公的機関からの技術文書(テクニカルファイル)提出要求を受けた場合は、もとりあえずEU公用語の1つである英語で提出して、もしも要求があれば、要求があった文書をイタリア語とかフランス語に翻訳した文書を再提出していました。恐らく、CEマーキング移行期間の終了日しても、技術文書(テクニカルファイル)を英語以外のEU公用語で事前準備の必要になることはないと信じていますが・・・・
EU適合宣言書を英語以外のEU公用語で書かなければいけない?
実は、これは機械指令に適合したEU適合宣言書を正しく発行している場合には、特に問題にならない事項です。何故なら、EU適合宣言書はその製品が使用される国の公用語にしなければならないからです。恐らく多くの企業では、EU公用語の1つである英語の宣言書を「オリジナル版」として作成し、使用国用に「翻訳版」を添付する方法で対応しているからです。つまり、添付の「翻訳版」を「オリジナル版」に変えれば良いだけの話なのであまり問題にならないと考えています。
現実的に考えれば、英語は残るでしょう!
イギリスのEU離脱によってフランス語やドイツ語が主要言語になるとは思えません。英国以外の欧州の国の人々は、自国の公用語以外の英語を使ってビジネスをしています。欧州人でも英語が苦手な技術者は多くいます。とはいっても一般の日本人よりも英語は達者ですが・・・。恐らくは、英国が衰退しても、中国が幅を利かせても、たとえ米国が衰退しても世界の共通語としての英語は残ると思います。恐らくは英語はEUの公用語の1つとして残り続けるでしょう。
MSDコンサルティング