機械安全の法律・規格と設計手法

安全な製品を設計・製造するために必要な法律・規格の情報を紹介しています。

メニュー

どの指令を適用すればよいのか?| CEマーキング

初めて、製品を欧州加盟国に輸出しようとしたときに、皆が迷う項目があります。それは、製品が「CEマーキングの何の指令に該当するのか」です。なぜなら、誰かに聞けば、無料で親切に、適合が必要な指令を教えてくれるわけではなく、適合しなければならない指令は、製造者の責任で判断・決定しなければならないからです。そのうえ一般的は、適合しなければならない指令は複数あるからです。

該当する指令は、製品の用途や構造や各指令の適用範囲から決定しますが、判断が難しい場合は、専門家(コンサルタント等)に相談してみるのも一つの手です。専門家は、判断に対して責任を取ることはありませんが、自分勝手に判断するよりも正しいアドバイスを与えてくれると考えます。

また、適合指令を選定した場合には、その選定した理由を明確に、第三者に説明できるように判断基準と共に記録を残しておきましょう。なお、一つの製品に複数の指令が適用される場合があります。その場合でもでも貼付するCEマークは一つです

 

参考に、一般的な製品と該当指令の関係を次の表に示します。

 

<製品と該当指令の一例>

製品 該当指令の一例
一般産業機械 機械指令・EMC指令・RoHS指令
計測機器・制御機器 低電圧指令・EMC指令・RoHS指令
家電製品・IT機器 低電圧指令・EMC指令・RoHS指令

 

自己認証による自己宣言が可能な主な指令は機械指令(MD)、低電圧指令(LV)、EMC指令(電磁両立性)、RoHS指令(特定有害物質の使用制限) などがあります。

機械指令の場合、内部管理(モジュールA)実施の可否判断は、機械指令の付属書 IVに該当する機械でないことやその他の指令(圧力機器指令、リフト指令、低電圧指令、ガス器具指令、防爆指令等)の適用範囲に製品仕様が含まれないことの確認が必要です。

産業機械のほとんどは内部管理(モジュールA)によるEU適合宣言を行うことができます。実際、欧州の多くの企業は自己認証による自己宣言を行なっています。

但し、EMC指令(電磁両立性)の検証については、自社に特殊な測定機器や検査要員がいない場合がほとんどであるため、検証についてはEMC測定の試験所(専門計測業者)に依頼せざるを得ないのが実情です。

 

指令の一覧

  • 機械
  • 電磁両立性(EMC)
  • 特定有害物質の使用制限RoHS(RoHS 2)
  • 低電圧(電気電子機器)
  • 埋込式能動医療機器(手術器具を除く)
  • ガス燃焼器具
  • 旅客用ロープウェイ設備
  • 特定の規則に基づく建設製品
  • エネルギー関連エコデザイン要求
  • 防爆機器
  • 民需用爆薬
  • 温水ボイラー
  • 体外診断用医療機器
  • リフト(昇降機)
  • 測量機器
  • 医療機器
  • 環境中の騒音放出
  • 非自動計量機器
  • 個人用保護具
  • 圧力機器
  • 火工品
  • 無線機器
  • レクリエーションクラフト
  • 玩具
  • 単純圧力容器

 

 

 

 MSDコンサルティング