機械安全の法律・規格と設計手法

安全な製品を設計・製造するために必要な法律・規格の情報を紹介しています。

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容易な操作性に関する要求|機械指令の基本的な健康と安全の要件(EHSR)

取扱いを容易にするための機械類の設計は、機械のライフサイクルのさまざまな段階で考慮しなければなりません。これは、機械または機械の部品の取り扱いが、通常の操作以外にも、たとえば、輸送、積み下ろし、組み立て、設置、解体、設置、または保守中に頻繁に行われるからです。

  • 電動工具は、安全に輸送、流通中に保管、消費者が持ち帰ることができるように梱包する必要があります。
  • 工作機械では、使用者の工場に輸送するために安全に積み込み、輸送、積み降ろし、設置場所に移動できるように設計をする必要があります。
  • 射出成形機の金型や金属加工プレスの金型など、機械の重い部品は、実行する作業によっては頻繁に交換を考慮する必要がある場合があります。

 

機械指令の基本的な健康と安全の要件 Essential Health and Safety Requirements (EHSRs) の必須要求事項の中から1.1.5 の「取扱いを容易にするための機械類の設計」について解説します。

 

1.1.5 取扱いを容易にするための機械類の設計(Design of machinery to facilitate its handling)
機械類、または各構成部品は次のことを満足しなければならない。

  • 安全な取扱いおよび輸送が可能であること、
  • 安全に損傷なく保管できるように包装・設計されていること。

機械類および/またはその構成部品が取扱説明書にしたがって取り扱われている限り、機械類および/またはその構成部品の輸送過程において、突然の作動や不安定さによる危険の可能性があってはならない。
機械類および/またはその構成部品の重量・寸法または形状から手では移動できない場合、その機械類および/またはその構成部品は:

  • 持ち上げ装置への接続用の取付具を備えていること、または
  • そのような取付具を備えることが可能なように設計されていること、または
  • 標準の持ち上げ装置を容易に取り付けられるような形状に成形すること。

機械類またはその構成部品を手で移動しなければならない場合、その機械類および/またはその構成部品は:

  • 容易に移動が可能であること、または
  • 安全につかみ上げて移動するための装備がされていること。

軽量であっても危険であると考えられる工具および/または機械部品の取扱いについては、特別な対策を講じなければならない。

 

 

6個のチェックポイント

  • 機械や装置の安全な取扱いや輸送が可能であるか?
  • 安全に損傷なく保管できるように梱包されているか?
  • 吊り上げ装置への接続用の吊り具を備えているか?
  • 標準の吊り上げ装置を簡単に取り付けることができるか?
  • 機械や装置は、容易に移動が可能であるか?
  • 安全にリフティング可能な装置を備えているか?

 

 

設計のポイント

  • 機械の取扱いは、輸送、積み降ろし、組立、設置、解体、保守など、通常の操作以外の段階でも行われます。それぞれのライフサイクルにおいて安全な作業が行えるように考慮しなければいけません。
  • 例えば、プレス機の金型の重い部品は頻繁に交換が必要であり、作業者が危険な状態になることを避けることを考えなければなりません。
  • 輸送中の安定性を保つために、例えば、輸送用の梁やジグの必要性を検討しなければなりません。また、機械や部品の重さのみならず、鋭い刃の有無による怪我のリスクを考慮しなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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