機械安全の法律・規格と設計手法

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座席への要求事項|機械指令の基本的な健康と安全の要件(EHSR)

座席の設計が不適切な場合には、作業者に、不快感、倦怠感、健康への影響を与える可能性があります。「座席への要求事項」は、作業者と機械類のインターフェースの側面について要求事項を示しています。

機械指令の基本的な健康と安全の要件 Essential Health and Safety Requirements (EHSRs) の必須要求事項の中から1.1.8 の「座席への要求事項」について解説します。

 

 

1.1.8 座席

該当する場合で、作業条件が許す場合には、機械類を構成する作業領域は、座席の取り付けを考慮した設計がなされなければならない。

作業者が操作しているときに着席することが意図される場合、また、作業位置が機械類の構成部品である場合、座席は機械類と共に備えられなければならない。

作業者の座席は、作業者が適切な位置を維持することがきるものでなければならない。さらに、制御装置から座席までの距離は、作業者によって調整可能でなければならない。

機械類が振動を受けやすい場合には、その座席は、作業者に伝わる振動を合理的に可能な最低レベルまで低減されるように設計・製造されなければならない。座席の取付は、受ける全ての応力に耐えるものでなければならない。作業者の足元に床がない場合は、滑り防止材で覆った足置き台を備えなければならない。

 

製造者は、作業者が着席したときに、より快適になり、作業をより簡単かつ効率的に行えるように考慮する必要があります。この場合、作業領域、つまり、作業者が着席する機械の場所には、必要な座席を取り付けることができることはもちろん、作業面の高さ、制御装置の位置関係、作業者がアクセスしなければならない機械部分、座席の体との空間を考慮して設計を行わなくてはなりません。

シートの高さ、幅、深さ、角度、背もたれの位置、必要に応じてアームとフットレストの位置など、シートの関連寸法は、作業者の体格のばらつきを考慮して調整可能にしなければなりません。

機械から生じる振動により、座席に座った作業者がが振動にさらされる可能性のある場合には、適切な減衰サスペンションを備えた座席を備えることで作業者の全身振動の暴露を防ぐことも必要です。

 

 

MSDコンサルティング